笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。3月7日(土)の放送は、先週に引き続き、LINEヤフー株式会社 サステナビリティ推進CBU CSRユニット 災害支援推進マネージャーの安田健志(やすだ・たけし)さんが登場。LINEヤフーの災害支援、デジタル技術の進化によって変化する支援の在り方について伺いました。
(左から)安田健志さん、笹川友里
安田健志さんは2005年にヤフーへ中途入社し、トップページのリニューアルや東日本大震災時の震災対応などを担当した後、DeNAに転職。ゲームやヘルスケア事業の責任者を経て、ヤフーへ再入社。現在は防災減災、災害対応業務に従事。災害・防災情報サービスや被災地支援を統括する災害支援推進マネージャーとして、企業の枠を超えた連携にも尽力しています。
◆企業の物資提供をサポート
災害が発生した際、LINEヤフーでは「人」「物」「金」「情報」の4つの側面から支援をおこなっています。
「人」の面では、Yahoo!ボランティアというサービスを通じて、ボランティアをしたい人と受け入れたい団体をつなぐプラットフォームを提供しています。「物」の支援としておこなっているのが、緊急災害対応アライアンス「SEMA」(シーマ)です。これは、現地で物資を必要とする団体と、物資を送りたい企業をつなぐ仕組みで、民間同士が連携することで、公的支援の補完と必要な物資をスムーズに被災地へ届けることを目指しています。
東日本大震災や熊本地震では、全国から多くの善意の物資が集まった一方で、倉庫に物資が山積みになり「どこに何があるのかわからない」という状況が発生したといいます。さらに、そこから被災者へ届けるラストワンマイルがうまく機能せず、必要な人に届かないケースもありました。
安田さんによると、当時は「公的機関が中心となって支援を担う」という認識が強く、物資の多くが自治体に集まっていました。しかし、自治体の人たちは物流の専門家ではないため、前述のような状況となってしまう場所もありました。そこで、「公的なところに負担をかけない。もしくは、そこを補完するような動きを取ったほうがいいのではないか」と考えて、民間の団体と企業で物資支援をおこなうSEMAをスタートさせました。
◆さまざまな方法で災害支援
「お金」の支援で活用されているのが、Yahoo!ネット募金です。このサービスでは、サイトからさまざまなプロジェクトへ寄付をおこなうことができ、決済手段もクレジットカードをはじめ、Vポイント、PayPayポイント、PayPayクレジットなど、いろんな方法でおこなうことができます。安田さんは「“善意をうまく形に変える”その障壁は低い ほうが絶対にいいと思うので、そういった意味でも、Yahoo!ネット募金というサービスが貢献できていると思っています」と期待を寄せます。
コミュニケーションアプリ「LINE」では、災害時のサポート機能も充実しています。例えば、大きな災害が発生した際、LINEのホームタブ上部に赤い枠が表示され、安否を登録できる機能が自動的に現れます。利用者は「無事」「自宅にいます」「避難所にいます」などのコメントをワンタップで選択でき、数回の操作で自分の状況を友人や家族に知らせることができます。
「この機能がとてもいいのは、災害時ってみんなが(安否を)心配してLINEをたくさん送るんですけど、それを受け取って個別に返信していると貴重な時間や電池がなくなってしまいます。災害時におけるスマートフォンのバッテリーって物凄く重要で、情報を取得するのに必要なデバイスでもありますから“バッテリーの減りを抑えられる”といった意味でも有用な機能になっています」と解説します。
◆技術の進歩で“防災の未来”はどう変わる?
ここで、笹川が「安田さんが仕事で大切にされていることってどんな部分になりますか?」と質問すると、安田さんは「“災害”という側面で言いますと、同じ災害は1つもないと思っています」と声を大にして言います。
災害対策には共通点もありますが、冬場では寒さ対策が欠かせなかったり、地理的条件によっても対策が変わってくるなど、地域や季節によって必要な対応は大きく異なります。「能登半島地震の際も“地域の特性”みたいなものが、かなり取り沙汰されました。なので、現地の人(の経験)や(過去の)災害文化をしっかり見据えたうえで正しい対応を取っていく。そのためには、正確な一次情報を得ることが必要じゃないかなと思っています」と語ります。
最後に、笹川が「今後デジタル技術の進化によって、防災はどのように変化していくと思いますか?」と尋ねると、安田さんは、最新技術は積極的に活用すべきとしつつ、「人の生命や財産に関わる事象である以上、慎重に考えたほうがいいですし、それを踏まえたうえで導入すべきだと思います」と言及します。
また、技術が広く普及すれば、一人ひとりのスキルや知識の差は小さくなってくると持論を述べ、その際に、自分自身の意思や倫理的な正しい判断が重要になってくると言います。「倫理的な部分が正しくなっていくためには、多様な価値観を理解しないといけないですし、そのためには、いろんな人と会うなど、自分なりの経験を増やすことが大事になることと、結果的にテクノロジーが導入されて、災害支援の現場に落とし込むときにも、いろんな人の価値観を理解する“共感力”が大事になってくると思うので、今よりもさらに個々の人を重んじた対応をしていくようになるのかなと思います」と話していました。
次回3月14日(土)の放送は、株式会社おてつたび代表取締役CEOの永岡里菜さんをゲストに迎えてお届けします。おてつたびが提供する「お手伝い」と「旅」を掛け合わせた新しい旅のカタチについてなど、貴重な話が聴けるかも!?
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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/