藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMのラジオ番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」(毎週土曜 10:00~10:50)。5月6日(土)の放送は、東京2020オリンピック 柔道男子60kg級で金メダルを獲得した、髙藤直寿(たかとう・なおひさ)選手をゲストに迎えて、お届けしました。
藤木直人、髙藤直寿選手、高見侑里
髙藤選手は、1993年生まれ、栃木県出身の29歳。東京2020オリンピックでは、日本選手団の金メダル第1号となる柔道男子60kg級での金メダルを獲得。そのほか、世界大会の金メダル数は、ジュニア時代などを含めると20個以上も獲得しています。
◆一番大切にしている技
藤木:髙藤選手といえば、立ち技、寝技といった柔道のすべてが得意とのことですが、そのなかでも“必殺技”みたいなものはお持ちですか?
髙藤:僕はもともと変形の柔道で、「髙藤スペシャル」というオリジナルの技もあるぐらいなんですけど、そのなかでも、僕が一番大切にしているのは「小内刈り」という基本の技です。
普通は、背負い投げをしかける際に小内刈りをかける、いわゆる“崩し”で使う技なんですけど、僕はそれで一本を取れるので、それを必殺技として周りが言ってくれている感じです。
藤木:しかし、ルール変更などで自分の技ができなくなったこともあったんですよね?
髙藤:僕が一番その影響をくらいましたね。「足取り禁止」といって、立ち技で“帯から下は触ってはダメ”というルールになったんですけど、僕は、もともと「肩車」という足を取る技やタックルするような技が得意だったので、そのときは、ネットで“髙藤は終わった”と書かれまくりましたね(笑)。
藤木:小さい頃から習ってきて、当たり前におこなっていたことを突然ガラっと変えられても、体がどうしても動いちゃいますよね。
髙藤:そうなんですよ。そこが難しいところだったんですけど、“みんなが足取りをしないのであれば、足取りと同じ動きで、足を触らないで投げれば警戒がないので投げやすいかも”と思って、そこからいろいろな技を自分で考えるようになりました。
藤木:ものすごくポジティブですね!
髙藤:結構ポジティブですね(笑)。“それをしないと俺は終わる”と思いましたから。
◆髙藤「相手が絶対に逃げられないシーンを作る」
藤木:柔道は、どのくらい攻略方法を立てるものなんですか?
髙藤:僕は趣味で、海外も含めたほぼ全部の柔道の試合を観ているんです。そのなかで“今の判断が良かったのか?”とかを(自分に照らしながら)考えて、それを道場に持ち帰ってやってみる、という練習を何回もしているので、自分のなかではかなり試合を作っていく技術があると思います。
藤木:(試合を観ることで)対戦相手のこともかなり詳しく分かって、そのなかで攻略法が蓄積されていくということですか?
髙藤:蓄積されていますし、(試合では)どんどん相手を追い詰めていって、最後は“相手が絶対に逃げられないシーンを作る”ということを心がけてやっています。“追い詰めているけれど、相手は追い詰められている感覚がない”というのが、一番追い詰めている状態なんです。
柔道で言うと“気付かないうちに投げられている”というのが一番だと思うので、(試合中は)殺気を抑えてやっています。そして、相手は“うまく試合運びをしている”と思っているけれど、気付いたら僕の戦術のなかにハマっている、という形を作るようにしています。
藤木:東京2020オリンピックは見事な金メダルでした。もともと、“オリンピック(で金メダル)”というものは、夢として思い描いていましたか?
髙藤:初めてシドニーオリンピック(2000年)をテレビで観たときに、“柔道の大会でこんなにすごいのがあるんだ!”と思ったんです。その瞬間から、「僕はオリンピックで金メダルを獲る!」と周りにも言っていたので、(金メダルを獲れたときは)“本当に夢が叶ったな”という感じでした。
藤木:リオデジャネイロ大会(2016年)で初めてオリンピック出場されましたが、リオ大会と東京大会は違いましたか?
髙藤:コロナ禍ということが大きな違いではあったんですけど、“とにかくオリンピックの金メダルが欲しい!”という気持ちは、リオも東京も変わらずに戦うことができました。
藤木:やっぱり、観客がいたほうが燃えるタイプですか?
髙藤:燃えますね! とはいえ、オリンピックに関してはお祭りなので、結構(会場の雰囲気に)飲まれるといいますか。リオ大会のときは、いつもとは違う(柔道の試合をあまり観ない)お客さんが多いので、結構やりにくい部分もあって、“これがオリンピックか……”というのは感じました。
一方で、東京は日本武道館という神聖な場で(無観客だったので、)相手の息づかいが聞こえる(ような環境で)、すごく良い貴重な経験ができたなと思います。
次回5月13日(土)のゲストは、日本人女子初のプロ選手として東京オリンピックに出場された、ホッケーの及川栞(おいかわ・しほり)選手をお迎えします。
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聴取期限 2023年5月14日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/beat/