声優界随一のサイクリスト・野島裕史がパーソナリティをつとめ、自転車をテーマにお届けするTOKYO FMのラジオ番組「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」。6月18日(日)の放送は、一般財団法人「日本自転車普及協会」の理事であり、 UCI公認の日本最大の国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長・栗村修さんをゲストに迎え、お届けしました。
(左から)栗村修さん、パーソナリティの野島裕史
◆晴れやかな気持ちで初日を迎え、大会終了後は…
野島:今回は、国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン 2023」が無事に終了し、ホッとひと息している番組準レギュラーで自転車業界の偉い人、 おしゃべり大好き自転車おじさん、栗村修さんが遊びに来てくれました!
栗村:もう完全に抜け殻状態の「ツアー・オブ・ジャパン」組織委員会委員長・栗村修でございます。
野島:抜け殻のなか、お越しいただきましてすみません。
栗村:いえいえ、この番組に出て大会が始まり、大会が終わる。やはり野島さんの顔を見ないと始まりも終わりもないですから。(呼んでいただき)ありがとうございます。
野島:それは光栄でございます(笑)。5月21日(日)~28日(日)に渡っておこなわれた「ツアー・オブ・ジャパン 2023」について改めて伺っていきたいのですが、まずは5月21日(日)の初日。堺ステージのスタートの瞬間はどんな気持ちでしたか?
栗村:今回から立場が少し変わりまして、大会ディレクターから組織委員会の委員長となり、全体の統括責任者的な感じだったんですけど、そのせいか分かりませんが、4年ぶりのフルスペック開催、8日間・8ステージ開催がとても楽しみで。もちろん、プレッシャーは今まで通りにあったのですが、楽しみ度も一番マックスの状態で4年ぶりの堺ステージを迎えた感じですね。
野島:“やっと帰ってきた!”という気持ちもあったし、(純粋に)楽しみが増していたんでしょうね。では、5月28日(日)の最終日。東京ステージでフィニッシュした瞬間はどんなお気持ちでした?
栗村:(東京ステージの)スタート前に野島さんとお会いした辺りまでは元気だったんですけど、終わった後の疲労感が……。堺ステージの晴れやかな気持ちとは裏腹に、今までで一番どっと疲れが出ました。これも自分のなかで分析したんですけど、答えが見つからないんですよ……歳ですかね(笑)。
野島:確かに、東京ステージが始まる直前はテンションも高くて“全然元気です!”みたいな感じでしたけど、やはり終わった後はヘトヘトだったんですね。
栗村:コロナ禍で2020年は中止、2021年が3日間、2022年が4日間と縮小版での開催でしたが、やっぱり8日間は長いですね(笑)。
野島:それが本来の長さなんですけどね(笑)。
栗村:そうなんですけど、国内最長のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」は改めてすごいなと思いました。
野島:あと、やっぱり(期間中は)集中していたんでしょうね。疲れすら感じないぐらい集中をして、フィニッシュした瞬間にその緊張の糸が切れたのかもしれないですね。
◆組織委員会委員長が前代未聞のお願い!?
野島:ちなみに、東京ステージでは毎年パレード走行をやらせていただいていますが、今年の僕の走りはご覧になりましたか?
栗村:スタート前に野島さんにはそっと……組織委員会委員長が言ってはいけないんですけど、あるミッションをお願いしまして。「もうメチャクチャになってもいいから、アタックしてくれ!」と(笑)。
野島:メチャクチャになってはダメです(笑)。(トライアスリートの)白戸太朗(しらと・たろう)さんと一緒に走っていると、「アタックをかけちゃおうか?」って言われることがあるんですけど、(パレード走行は)さすがに前にカメラの方がいて、組織委員会の車もあり、ペースメーカーも走っていますし、それを追い抜かすのは良くないかなと。
栗村:そうですよね、(大会を)出禁になるかもしれませんね、僕の知らないところで(笑)。
野島:組織委員会委員長の指示通りにやったら出禁になるという、前代未聞の事態になりかねなかったのでグッと抑えました(笑)。でも今年は全体的にパレード走行の平均速度が早かった気がします。
栗村:僕は審判車に乗っていて、ちょっと首を伸ばすと野島さんの走りが見えました。素晴らしかったです。ただ“なぜアタックをしないんだ”って呟いていましたけど(笑)。
野島:(笑)。じゃあ、また機会があったら今度は出禁覚悟で(笑)。
◆印象的だった「ありがとう」という言葉
野島:改めて、組織委員会委員長として課題や反省点なども含め、「ツアー・オブ・ジャパン 2023」を総括していただけますか?
栗村:細かいトラブルなどはありましたけど、4年ぶりのフルスペック開催は本当に大成功だったと思います。前半の堺ステージ、京都ステージ、いなべステージ、美濃ステージは、実行委員会の皆さんも長らく時間が空いたので不安も大きかったと思いますが、よく準備してくださったと思います。大会を開催するうえで、本当に多くの皆さまにご協力いただき、感謝しかありません。ありがとうございます。
また、前半の4ステージで何度か言われて非常に印象的だったのが「ありがとう」という言葉でした。それは、我々が地元の方々に常々言っていることなんですが、最初に沿道から「ありがとう」という言葉が聞こえきて、最初は“どういうことだろう?”と思っていたのですが、要するに“開催してくれてありがとう”という意味だったんですね。それに気づいたときに、“皆さんも待っていてくださったんだな”“本当に開催して良かったな”と思いました。
4年も空くと“もう開催できないんじゃないか?”という不安や、“忘れられているんじゃないか?”という思いもありましたが、本当にやって良かったと思いましたし、やっぱり「ツアー・オブ・ジャパン」は国内最長の8日間・8ステージが本来の姿だなと。正直、長くてきついですけど、それが「ツアー・オブ・ジャパン」であり、3日とか4日ではダメなんだなと感じた大会でした。
ただ、まずは久々のフルスペック開催を完全にやり切りたかったので、ちょっとやることを減らしたんですけど、もっといろいろなことができたかなと(笑)。そういう欲張りな反省点があります。
野島:それは前向きで良い反省点ですね。これからさらに充実していきそうな予感がします。また“ありがとう”という言葉は、みなさんにとっても大きなエネルギー源になったんじゃないですかね。そして、早い話ですが、もう2024年大会に向けて動き出していることはありますか?
栗村:実は「UCI(国際自転車競技連合)」への「ツアー・オブ・ジャパン」のレースカレンダーの登録がもうすぐなんです。そして「ツアー・オブ・ジャパン」というレース自体、そろそろ次の中期計画を練り直すタイミングにきています。
私が主催者の仕事をするようになって10年。このあいだに作った計画は半分はできて、半分ができなかったんです。“とにかく上を目指していこう”というのがこれまでの計画だったんですけど、ここからは少しアジャストをして、日本人選手の強化や底辺を広げるための計画を立てられればと思っていて、2024年はその第一歩になるかと思います。
次回6月25日(日)の「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」も、引き続き栗村修さんをゲストに迎えてお届けします。お楽しみに!
<番組概要>
番組名:サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国23局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週日曜 朝5:00~5:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトおよびアプリ「AuDee(オーディー)」でご確認ください)
パーソナリティ:野島裕史
番組Webサイト:
http://www.jfn.jp/toj