手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。2月4日(土)の放送では、2月より緊急地震速報の対象に加わった「長周期地震動」について取り上げました。
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2月1日(水)から、地震の際に高層の建物などをゆっくり揺らす「長周期地震動」が緊急地震速報の対象に加わりました。これからは、この長周期地震動による非常に大きな揺れが予測される場合にも、気象庁から緊急地震速報が発表され、ビルの高層階などへの警戒が呼びかけられるようになります。そこで今回は“長周期地震動”とは何か、そしてその際に私たちが注意すべきポイントを詳しくお伝えします。
◆長周期地震動について
地震が起きると、さまざまな周期(揺れが1往復するのにかかる時間)を持つ揺れが発生します。南海トラフ地震のような規模の大きい地震が発生すると、周期の長いゆっくりとした揺れが起こります。このような揺れのことを「長周期地震動」と言います。
長周期地震動には、3つの大きな特徴があります。
1.マグニチュード(地震の強さを示す単位)が大きい地震ほど揺れが大きくなる。
2.地震が発生した場所から数百キロメートル離れた場所でも大きく揺れる。
3.ビルや高層階などの免震構造の建物ほど揺れやすい。
2011年の東日本大震災のときも、震源から遠く離れた東京や大阪の超高層ビルが大きく揺れました。そして、この「長周期地震動」は4つの階級に分かれています。
【階級1】
室内にいたほとんどの人が揺れを感じ、揺れに驚く人もいる。ブラインドなどが大きく揺れる。
【階級2】
室内で大きな揺れを感じる。物につかまらないと歩くことが困難で、棚にある食器や本棚が動くことがある。
【階級3】
立っていることが困難になる。固定していない家具が移動することもあり、不安定なものは倒れることがある。
【階級4】
立っていることができず、這わないと動くことができない。固定していない家具の大半が移動したり、倒れる。
今回、緊急地震速報で長周期地震動の対象となるのは、階級3と階級4の揺れが予想される地域に出されます。気象庁によると、2000年以降、階級3以上の長周期地震動を伴う地震は、東日本大震災や2004年に発生した新潟県中越地震、2016年の熊本地震など計33回にのぼります。
<長周期地震動の緊急地震速報を聞いたら際の取るべき行動>
次に、長周期地震動の緊急地震速報が届いたときに、私たちが取るべき行動をお伝えします。
・頭を保護し、態勢を低くして身の安全を確保する。
・火を付けていた際も、揺れが収まるまで無理に火を消そうとしない。
・エレベーターに乗っていたら、最寄りの階で停止してすぐに降りる。
長周期地震動が緊急地震速報に加わったことを機に、家具やオフィス機器の固定など、地震への備えや身の回りの安全を確認しておきましょう。
<番組概要>
番組名:防災FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/bousai/