TOKYO FMグループの「ミュージックバード」が制作し、全国のコミュニティFMで放送中のラジオ番組「シビルトーン♪~素敵な週末~」(毎週土曜 7:00~)。土曜の朝、素敵な週末のスタートに向けてリビングでゆったり寛ぎながら会話する「夫婦(家族)」という目線から、世の中のニュース・社会問題・身近な生活情報・エンタメ情報等をテーマに展開します。シビルトーン(市民の音/市民の声)を紡いでいく土曜朝ワイド番組です。
4月18日(土)の放送では、森林業漫画家の平田美紗子さんがゲストに登場。「みどりの月間」をテーマに、森林の大切さについて考えていきました。
(左から)パーソナリティの小谷大輔、平田美紗子さん、湯浅円
◆みどりの魅力を描く森林業漫画家
毎年4月15日(水)から5月14日(木)は「みどりの月間」です。森林は生物にとって欠かせない存在であり、緑と水のふるさとですが、都市開発や過度な伐採により、世界規模で減少が続いています。番組では、森の大切さを漫画で伝える森林業漫画家・平田美紗子さんに話を聞きました。
「森林業漫画家」は聞き慣れない肩書きですが、平田さんは日本の森林や林業の魅力を発信するために漫画を制作してきました。もともとは農林水産省の林野庁で働く国家公務員として、国有林の管理や広報を担当。「森を伝える仕事」と「漫画」が結びつき、現在の活動に至ったといいます。
平田さんの作品の特徴として絵の緻密さがあります。森林やそこで暮らす動物たちといった興味を引く内容はもちろん、葉の形や性質の違いまで丁寧に描かれており、そのこだわりがうかがえます。平田さんは、「木にも人と同じように個性や生き方があります」と、街路樹一本であってもそれぞれに魅力があると感じているそうです。
平田さんは幼い頃から絵が好きだった一方、山岳部だった両親の影響で森林への関心も深まったそうです。進路に迷った末に「生態学は専門的に学ぶべき」と考え、大学で森林生態学を専攻。知識と表現を掛け合わせた作品が、森の魅力を身近に伝えています。
◆緑豊かな国の裏側で進む担い手不足
日本は国土の約7割が森林に覆われており、世界でも有数の森林率を誇る緑豊かな国です。私たちが日常的に使っている木材の多くは、過去の人々が植え、長い年月をかけて育て、守られてきた木から生まれています。
しかし、その広大な森林を支えている林業従事者は、およそ4万4,000人にとどまっています。「割合でいうと2,700人に1人です。森全体を管理するには、人手が足りていないのではないかと思います」と、平田さんはその現状を説明します。
一方で、私たちの暮らしは木と深く結びついています。トイレットペーパーやノート、机など、日常のあらゆる場面で木は使われており、その恩恵を受けながら生活しています。それにもかかわらず、国内の森林を支える人々の存在は、まだ広く知られているとは言えません。平田さんは、林業という仕事について「きちんと価値のある仕事として認める空気作りが必要だと思っています」と力を込めます。
また、日本と森林の関係は、以前よりも希薄になっていると指摘します。江戸時代、鎖国下で資源の輸入がなかった時代でも、人々は森林の恵みを活かして生活していました。「木を切って木材にしたり煮炊きに使ったり、森と人との関わりって昔はすごく濃かったんです」と説明する平田さんは、戦後の高度経済成長を経て森との距離が離れてしまったことに寂しさを感じているといいます。だからこそ、漫画やイラストを通して森林への関心を高め、「もう一度、森に一歩近づいてほしい」という思いから活動を続けていると語ります。
(左から)平田美紗子さん、パーソナリティの小谷大輔、湯浅円
◆森を守る活動「緑の募金」
森林を守り、未来へとつないでいくためには、私たち一人ひとりの理解と関心が欠かせません。そうしたなかで呼びかけられているのが、「緑の募金」への協力です。春と秋を中心に実施されているこの募金は、森林整備や緑化の推進、広報活動、さらには海外での環境保全活動など、幅広い取り組みに活用されています。
平田さんは、森林を支えるのは林業従事者だけではないと語ります。一般の市民によるボランティアやNPO法人など、多くの人々がさまざまな形で森林保全に関わっており、「森にまつわる活動をおこなっている方たちがいる」と、その広がりを説明します。緑の募金は、そうした人々の活動を支える重要な資金源となっています。
具体的な使い道としては、花粉症対策として注目される無花粉スギの植樹や、海岸の松林の整備、子どもたちの自然体験学習の支援などが挙げられます。また、災害復旧にも活用されており、能登半島の災害や岩手県釜石市で発生した山火事の後の復旧緑化にも役立てられています。平田さんは「その後の復旧にも、こちらの募金を活用して支援をおこなっております」と話し、支援の広がりを伝えてくれました。募金は、コンビニのレジ横に設置された募金箱のほか、一部の自動販売機やスマートフォンからも手軽におこなうことができます。日常生活のなかで気軽に参加できる仕組みが整えられており、多くの人の協力が期待されています。
さらに、国土緑化運動の一環として、さまざまなイベントも予定されています。5月17日(日)には愛媛県松山市で「第76回全国植樹祭」が開催されるほか、5月9日(土)と10日(日)には東京都八王子市の高尾599ミュージアムで、子どもから大人まで楽しめる「みどりとふれあうフェスティバル」がおこなわれます。こうした機会を通じて、より身近に自然と触れ合うことができます。
番組の最後に平田さんは、「漫画を見てみたいと思った方は、
林野庁のホームページ
などで、どなたでも自由に漫画をご覧いただけます」と紹介。さらに「森や木に興味を持った方は、ぜひ身近な森や公園などに出かけて、木と触れ合う時間を楽しんでみてください」と呼びかけました。
<番組概要>
番組名:シビルトーン♪~素敵な週末~
放送日時:毎週土曜日 7:00~8:40
パーソナリティ:小谷大輔、湯浅円