藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMのラジオ番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」(毎週土曜 10:00~10:50)。6月22日(土)の放送は、
前回
に引き続き、元プロ野球選手の工藤公康(くどう・きみやす)さんをゲストに迎えて、お届けしました。
(左から)工藤公康さん、藤木直人、高見侑里
工藤さんは、1963年生まれ愛知県出身の61歳。1982年に名古屋電気高校(現:愛知工業大学名電高等学校)卒業後、西武ライオンズ(現:埼玉西武ライオンズ)に入団。以降、福岡ダイエーホークス(現:福岡ソフトバンクホークス)、読売ジャイアンツ、横浜ベイスターズ(現:横浜DeNAベイスターズ)などに在籍し、現役中に14度のリーグ優勝、11度の日本一に輝き“優勝請負人”とも呼ばれています。
プロ野球選手として実働29年間もマウンドに立ち続け、2011年に正式に引退表明。通算224勝のほか、最優秀選手(MVP)2回、最優秀防御率4回、最高勝率4回など数多くのタイトルに輝き、2016年には野球殿堂入り。また、2015年から福岡ソフトバンクホークスの監督に就任し、2021年退任までの7年間に5度の日本シリーズを制覇しました。
◆選手にとって欠かせないコンディショニング論
藤木:“コンディショニング”というのは、やっぱり、どんどん更新されて新しくなっている分野ですか?
工藤:新しくなっていることはたくさんあると思いますし、いわゆる科学を使ったデータを取り入れている選手も多いですけど、コンディショニングって、いわば自分の体のことなので、それを科学だけで全部わかるわけではないですし、やはり自分の体のことは自分で知らなければいけないんです。
なので、運動生理学とか運動物理学とかを知っていると、自分の体の動きの変化を理解できるようになり、それが理解できるようになると、良いときと悪いときの違いの変化に気づきやすくなるので、自分で修正する能力も身に付くんですよ。
また、ずっと状態が良くても、35歳、40歳になるにつれて、必ず(能力が)落ちるんですね。だからこそ、ピッチングフォームの効率を良くしなければいけない。僕は30歳前からそういう勉強を始めましたけど、そうやって科学を取り入れていけば、長く現役を続けられる選手がこれからもっと出てくるかなと思います。
◆アメリカの野球は最先端?
藤木:今と工藤さんの現役時代とでは、トレーニングに対する向き合い方、向上心は変わってきていますか?
工藤:変わっていますね。今では、例えば、SNSなどでいろいろな情報を手に入れたりできますし、僕も現役中に海外に行ったりしていましたけど、なかには海外でいろいろな理論を学んでから帰ってくる選手もいるので。
海外の情報って、ある程度は僕のところにも入ってくるんですけど、やっぱり情報だけでは、実際に行った選手と差が出ちゃうんです。だから僕は、オフシーズンのあいだに「監督、どうせ知らないんでしょ?」とか言われないように、その選手が実際に行ったり、注目している施設を全部見に行って、そこでの理論や考え方を聞いて「なるほど。こういうものを使うと、こんなことがわかるんですね」とちゃんと理解するようにしていました。だから、やっぱり情報がすごく大事になりますね。
藤木:「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」は日本が優勝しましたが、それでもやっぱりアメリカの野球が最先端なのですか?
工藤:アメリカの野球って、いろいろな器具を使ってさまざまなデータを出せるんですよ。今(MLB・メジャーリーグベースボールは)30球団でやっているんですけど、例えば、これは本当に一部のトレーナーしか見ることができないんですけど、どういうふうにリハビリをして復帰したか、ということを30球団共同で共有しているんです。自分たちのチームで同じようなケガをした選手を早期回復させるために。
藤木:それは日本のプロ野球界もぜひ取り入れてほしいですね。
工藤:それがなかなかできないんですよね。情報漏洩というわけではないんですけど、やっぱり“(他球団と情報を)共有する”というのがなかなか難しい状況です。
藤木:なるほど、相手の戦力が、ある程度筒抜けになってしまう可能性もありますもんね?
工藤:それもそうなんですけど、悪いことだけを考えちゃうと何も踏み出せないんですよね。そうではなくて、もっと良いことをみんなで共有できるようになってくると、例えば“ケガをしない方法”だったりも(確立されてくる)。
あと、時期によって“ケガをしやすい部位”というのもあるんです。メジャーでは“シーズンの序盤、中盤、後半でどんなケガが多いのか”というデータも出しているんですよ。そうすると、選手もそこに気をつけながらキャンプやオープン戦を過ごすことができるので“ケガ予防”という意味でも非常に大事かなと思います。しかし、日本にはまだそのシステムがないので、そういうところはアメリカが優れている部分じゃないかなと思います。
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6月22日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年6月30日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里