脳科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00~22:30)。 当番組のスピンオフ番組「茂木健一郎のポジティブ脳教室」を、TOKYO FMがお送りするポッドキャストポータルサイト「TOKYO FM ポッドキャスト」で配信中! リスナーの皆様から寄せられたお悩みに、茂木が脳科学的視点から回答して「ポジティブな考え方」を伝授していきます。
今回の配信では、「職場での人間関係・嫌がらせ」に関する相談に、茂木が脳科学の知見を交えてアドバイスを送りました。
パーソナリティの茂木健一郎
<リスナーからの質問>
昨年、転職をしました。仕事内容に魅力とやりがいを感じ、ひたむきに取り組んできました。しかし一方で、私の一生懸命な姿勢を馬鹿にして笑われたり、なぜか私にだけ仕事の内容を教えてもらえなかったりすることが続き、会社へ行くことが辛くなってしまいました。 会社の相談窓口も機能しておらず、この気持ちをどう受け止めたらよいのか分からなくなっています。脳科学的に、この気持ちとどのように向き合えばいいのでしょうか?
<茂木の回答>
まずはこれだけは伝えさせてください。これは、決して相談者さんのせいではありません! 一生懸命取り組んでいる人を馬鹿にしたり、必要な情報を共有しなかったりするのは、客観的に見て相手方のやり方に問題があります。
どうしてもこういう状況では「自分が悪いのかな」というネガティブな回路に入ってしまいがちですが、まずは「自分には非がない」ということをしっかり確認しましょう。
そのうえで、どう行動すべきか。会社は本来「チーム」ですから、役割を超えて一肌脱いでくれる方がどこかにいるはずです。相談窓口に限らず、信頼できる上司や別部署の知り合いなど、どなたか話を聞いてくれる人はいませんか?
また、窓口が機能していないと感じる場合でも、あえて相談の記録を残しておくことをおすすめします。現在の社会において、こうした問題は「コンプライアンス(法令遵守)」に関わる重要な事項です。ルールに則って適切に対応する義務が会社側にはあります。「しかるべき場所に相談した」という事実を残しておくことが、今後のあなたを守る材料になるからです。
そして、何よりも大事なのは、相談者さんが「自分自身のバランス」を保つことです。不条理な扱いを受けると、どうしても心が乱れてしまいますが、周囲に事情を知らない人がいた場合、「相談者さん自身の問題で調子が悪い」と誤解されてしまうのは損ですよね。辛い状況ではありますが、できる限り「淡々と自分らしくいること」を意識してみてください。
人間には「頑張れるとき」と「頑張れないとき」が必ずあります。頑張れないときは、自律神経のバランスを整えることが最優先です。友人と美味しいものを食べたり、お茶を飲んだりして、副交感神経を優位にする「のんびりした時間」を意識的に作ってください。
「どう立ち直るか」よりも「これ以上バランスを崩さないこと」を第一に考えてください。場合によっては、距離を置いたり、休んだり、一度立ち止まったりすることも必要です。それは決して「逃げ」ではありません。脳がバランスを回復するために必要な、前向きな選択なのです。
相談者さんは非常に真面目な方だと思います。安心して働ける環境さえ整えば、あなたは必ず輝けます。少しずつで大丈夫です。まずは自分の責任ではないことを受け入れ、心のケアを最優先になさってくださいね。
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音声版「茂木健一郎のポジティブ脳教室」
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<番組情報>
番組名:茂木健一郎のポジティブ脳教室
配信日時:毎週土曜 22:30配信(予定)
パーソナリティ:茂木健一郎