TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。今回の放送テーマは「信号がない横断歩道の一時停止率」。横断歩道における自動車の一時停止率の推移や、一時停止率が高い県の取り組みに注目しました。
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◆都道府県別の一時停止率をチェック
一般社団法人 日本自動車連盟(JAF)が、信号機がない横断歩道での自動車の一時停止状況について、2024年の調査データを発表しました。
JAF東京支部 認定セーフティアドバイザー・杉本実さんによると、2024年に歩行者が信号機のない横断歩道を渡ろうとする場面で、車が一時停止した割合は53.0%で、「前年の調査に比べて7.9ポイントの増加となりましたが、依然として約半数の車が停まらない結果となりました」と説明。
なお、調査がスタートした2016年の全国平均は7.6%と、停まる車はほぼありませんでした。そこからは毎年向上し続けていますが、半数の車が止まらない状況です。
都道府県別に見ると、一時停止率は如実に変わってきます。
【一時停止率が高い県】
1位:長野県 87.0%
2位:石川県 80.9%
3位:岐阜県 75.2%
4位:熊本県 74.8%
5位:福岡県 74.3%
【一時停止率が低い県】
1位:富山県 31.6%
2位:北海道 34.1%
3位:福井県 34.7%
4位:茨城県 35.2%
5位:和歌山県 36.2%
一時停止率が低い地域は、それだけ交通事故の危険性も高いと言えます。特に子どもや高齢者の方は気をつけなければいけません。
◆信号機のない横断歩道における“3つの規定”
道路交通法上では、信号機のない横断歩道について3つの規定があります。
・横断中あるいは横断しようとしている歩行者がいるときは、一時停止をして歩行者を優先する
・歩行者などの有無を確認できなければ、横断歩道などの停止位置で止まれるような速度で進行する
・横断歩道や自転車横断帯と、その手前30メートルは追い越しも追い抜きも禁止
信号機のない横断歩道の手前には、横断歩道ありの標識や路面標示が設置されています。これらが見えたら、歩行者などの有無をしっかり確認しましょう。
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◆“一時停止率が最も高い”長野県の取り組み
自動車の一時停止状況で毎年最も優秀なのは長野県です。一般財団法人 長野県交通安全教育支援センター 宮澤まゆみさんによると、学校やいろんな団体による子どもへの交通安全教育の結果、横断歩道では意思表示をして、止まってくれたらお礼をすることが習慣づいており、「その子たちが大きくなってドライバーになったときにも(その経験が)活かされているのではないでしょうか」と分析します。
ほかの都道府県や地域でも、運転者と歩行者双方の思いやりの心を育むことができれば、一時停止率は高まるかもしれません。まずは全ドライバーが必ず一時停止をする。それが状況改善の近道です。「私たちは“歩行者と運転者 目と目で交わす思いやり”をスローガンに活動しています。すべてにおいて、思いやりの心で道路を利用してもらえれば、必然的に守るルールは守り、ドライバーの行動も変わってくると信じています」と宮澤さん。
横断歩道は、歩行者にとって最も安全な場所でなければいけません。信号機のない横断歩道での一時停止率を上げることは、自分の家族や親戚、友人・知人を守ることにもつながります。交通ルールを頭に、思いやりを胸にハンドルを握るようにしましょう。
<番組概要>
番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全
放送日時:毎週金曜 7:20~7:27