藤木直人、高見侑里がパーソナリティを務め、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMのラジオ番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」(毎週土曜 10:00~10:50)。6月6日(土)の放送は、スピードスケート・オリンピックメダリストの髙木美帆さんが登場! 本記事では、最後のオリンピックとなったミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック(以下、ミラノ・コルティナ大会)について振り返った模様をお届けします。
髙木美帆さん
髙木美帆さんは、1994年生まれ、北海道出身。5歳からスケートを始め、2010年 冬季オリンピック・バンクーバー大会でスピードスケート史上最年少の15歳で日本代表に初選出。2014年のソチ大会では代表権を逃しますが、2018年の平昌大会では、女子チームパシュートで金メダル、1500mで銀メダル、1000mで銅メダルを獲得。2022年の北京大会では主将を務め、個人種目では初となる金メダル(1000m)を含む4つのメダルを獲得。ミラノ・コルティナ大会を含め通算10個のメダルを獲得し、2026年4月に現役を引退。そして、髙木さんの誕生日でもある5月22日、政府は国民栄誉賞を授与する方向で検討に入ったことを発表しました。
◆ミラノ・コルティナ大会では銅メダルを3つ獲得
藤木:ミラノ・コルティナ大会では、メダルを3つ(500m、1000m、チームパシュートで銅メダル)獲得されました。同じメダルでしたけれども、それぞれのメダルの意味は変わってきているのではないですか?
髙木:そうですね。同じ色のメダルを複数獲るのは、北京大会のときにも経験しているんですけど、それぞれの種目で(獲得したときに)感じる気持ちは違うなと思いましたし、今回も同じように感じました。
藤木:チームパシュートは団体戦ということもありますし、チームとして(金メダルを獲れなかった)悔しさも当然あったでしょうし。
髙木:チームパシュートは個人種目とは違って、トーナメント戦で対戦相手に勝たないといけないので、純粋に“速いタイムで1本滑ればいい”というのとは、また違ったプレッシャーもありながら、過去2大会で好成績を残してきたメンバーとは違う選手たちと初めて挑むということで、また違った緊張感や責任感みたいなものはありましたね。
藤木:最後のオリンピックの舞台は1500mでした。スタートラインにはどんな気持ちで立たれていましたか?
髙木:“あとは行くだけだ”みたいな、すっきりした気持ちで立てていたとは思います。
藤木:レースを観ていて、守りじゃなく“攻めの滑りだな”ってすごく感動しました。
髙木:ありがとうございます。ただ、難しいところですね(笑)。1500mは、私のなかでは“攻めれば良いというわけではない”と思っていたんです。自分が最速のタイムで1500mのゴールラインを切るために、“どこまで攻めたらベストなのか”というところを見定めて、作戦を組み立てて実行していくのがスペシャリストだと思っていたので、攻めたことに後悔はないですが、自分の実力不足だったと感じるところもあるレースではありました。
でも、過去2大会は攻めきれずに終わってしまって、すごく後悔した思いを抱いていたので、そこだけは超えていけたのかなと思っています。
藤木:1000mと500m、そして、チームパシュートのときに先頭で引っ張った“疲労の蓄積”みたいなものもありましたか?
髙木:どうでしょう……。私自身が、効率のいいスケーティングや本来武器にしているものを実行できていれば、逆に疲労がプラスに働くことも多いので、“1500mの前に3本のレースに出たからあの結果になった”というよりは、“私の実力が届かなかった”に尽きるのかなと思っています。
なので、“レースに出なければ良かった”とか“(チームパシュートで)自分が先頭を引っ張ると言わなければ良かった”ということは思っていないですし、逆にあの3種目に出たことで、スタートラインに立つときに“どうしよう、このままじゃ行けない”という不安を抱えることなく、“あとは行くだけだ”と思えました。
(左から)髙木美帆さん、藤木直人、高見侑里
◆最後の競技を終えて…込みあげた思いは?
高見:最後のオリンピックの競技を終えた瞬間は、率直にどんなお気持ちでしたか?
髙木:1500mを終えた後は、“自分のオリンピックはこれで終わったんだ”というよりは、まず6位という結果、金メダルが獲れなかったことに対して“自分の今の実力なんだな”みたいなことを考えた記憶はありますね。
藤木:ちょっと悔しさも残るような……。
髙木:そうですね。ただ、振り返ったときに、その悔しさを直視できなかった部分もあったんです。それまでは、レースが終わっても次の種目があったので、例えば、3位だった1000mに対して、あまり深く自分のなかで反省点を挙げたり、自分を責めたりしていると気持ちが持たないということもありますし、(次のレースに向けて)改善できるところはどこかを考えて、切り替えてやっていたので。
ただ1500mが終わった後は、それをする必要もなかったところも含めて、自分の溢れ出そうな感情に、いったん蓋をしたんです。なので、“当時どういう気持ちをだったか”という話になると、蓋をしたぶん、あまり出てきているものがないので、ちょっと思い出すのが難しかったりもするんですよね。
藤木:レースが終わった後、リンクに向かって一礼されていましたけれども、そのときは何を考えていらっしゃいましたか?
髙木:何か言葉にできるような想いではなかったというところはあります。あの日は、家族も会場まで応援に来てくれていたんですけど、ここまで来てくれた人や画面越しで応援してくださった方々、あとはコーチ、スタッフ、仲間たちとともに滑るオリンピックが最後でしたし、もしこの先、私の気持ちが変わって「スケートを続けたい」と思ったとしても、(オリンピックのための特設リンクということもあり)あのミラノのリンクはないので、“この場所での私のオリンピックは終わったんだ”という気持ちがあって、それに対する一礼という感じでしたね。
藤木:本当にいろんな思いや感情が入り混じった一礼だったわけですね。
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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/
番組公式X:@SPORTSBEAT_TFM