放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。5月18日(日)の放送は、“パンダ好き”のフリーライター・イラストレーターの二木繁美(にき・しげみ)さんをゲストに迎えて、お届けしました。
(左から)パーソナリティの小山薫堂、二木繁美さん、宇賀なつみ
◆幼い頃からパンダが大好きだった
二木繁美さんは、日本パンダ保護協会の会員であり、パンダ好きのフリーライター・イラストレーターです。同協会は名誉会長に黒柳徹子さんを迎える、非政府・非営利の民間ボランティア団体です。活動について、二木さんは「パンダが好きな方々が集まりパンダのために活動をするという、純粋なパンダ好きの会です」と語ります。
子どもの頃からパンダに惹かれていたという二木さん。幼少期の写真には、パンダのぬいぐるみと一緒に写っているものもあるそうです。「愛媛出身なので、本物のパンダを見るのは就職してからでした。ですが、第一次パンダブームのちょっとあとに生まれているので、パンダグッズが身の回りにたくさんあったんですよね。それに囲まれて育ったので、いつのまにか刷り込まれたという感じですかね」と振り返ります。
現在、日本で飼育されているジャイアントパンダは、東京・上野動物園の2頭と和歌山のアドベンチャーワールドの4頭です。和歌山県の4頭が6月に中国へ返還される予定で、東京の2頭も2026年2月に返還期限を迎えます。そのため、国内からパンダがいなくなる可能性が出てきました。
この返還について、二木さんは「やっぱり寂しいですね」と率直な気持ちを吐露します。なかでも、良浜(らうひん)という高齢のパンダについては「中国に戻っても一般公開されない、非公開エリアに入る可能性があるんですね。そうなると、私たちはもう二度と会えないかもしれないんです」と語ります。良浜は日本生まれ日本育ちということもあり、「すごく小さい頃から私たちは知っているんですよ。あの子にもう会えないなんて……と思うところはありますね」と心情を明かしました。
◆パンダが再び日本にやってくる可能性はある?
今後、日本に新たなパンダがやってくる可能性はあるのでしょうか。4月には、自民党が訪中の際に中国人民対外友好協会の楊万明(よう・ばんめい)会長と会談し、パンダの貸与を要請したことがニュースとなりました。二木さんは「こちらの意思表示に中国が応えてくれるかどうか、という感じですね。私はまたペアがやって来るのではないかというふうに思っています」と見解を述べます。
中国では、野生のジャイアントパンダの個体数が1980年代の約1,100頭から現在は1,900頭近くにまで増加しました。絶滅危惧度もEN(絶滅危惧種)からVU(危急種)へと引き下げられましたが、飼育されている個体は約700頭以上と、依然として貴重な存在です。
パンダは中国の四川省、陝西省(せんせいしょう)、甘粛省(かんしゅくしょう)といった標高の高い山々に生息していますが、300万年前には現在とほぼ同じ姿で、北京以南からベトナム辺りまで広く分布していたとも言われています。「私たちはパンダを“中国の動物”だと思っていますが、起源は実はヨーロッパだそうで、1,100万年前のパンダの化石がスペインから出土したという話があります。ただ、どうやって中国まで来たのかはまだ謎です」と、二木さんは興味深いエピソードを紹介してくれました。
◆2頭のパンダの名付け親に
パンダの食性や生態など、幅広い知識を披露する二木さんに、小山が「雷に打たれたようにパンダが好きになった瞬間ってあるんですか?」と問いかけます。
二木さんがさらにパンダを好きになったきっかけは、パンダの名付け親になったことでした。「パンダが日本で生まれたときに名前を募集するんですね。それに応募しまして、めでたく名付け親になったんですよ。名付け親と言っても何十人、何百人といらっしゃるんですけど、そのなかの1人になりました」と振り返ります。
アドベンチャーワールドで生まれた明浜(めいひん)と優浜(ゆうひん)は、二木さんが名付け親となったパンダです。名付けた特典として、ガラス越しではなく、至近距離で明浜と対面できたといいます。「もちろん触るのはダメなんですけど、ものすごく毛がしっかりと見える、箱に入った状態でご対面させていただきました」と明かします。対面は夕方におこなわれ、パンダは眠っている状態でしたが、じっくりと眺めることができたそうです。二木さんは「もう、奇跡のようなかわいさでした」と笑顔で語りました。
二木さんは「水曜日のお嬢様 タンタンのゆるゆるライフ」(講談社)や「このパンダ、だぁ~れだ?」(講談社)などの書籍で、パンダの魅力を発信し続けています。人々がパンダに惹かれる理由について、「興味がない人でも、動物園に行ってパンダを見てしまうと“すごくかわいいね”となるんです。やっぱり、オーラみたいなものが出ているのかなと思います」と語ってくれました。
番組後半では、二木さんが「ジャイアントパンダ」に向けて手紙を読む場面もありました。
二木繁美さんのパンダ関連の著書
----------------------------------------------------
5月18日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年5月26日(月) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
----------------------------------------------------
<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY'S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ