TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。今日の放送テーマは「速度制限」について。特定行政書士で法務・法律ライターの井口豪(いのくち・たけし)さんから、速度制限の種類や道路標識の表示について伺いました。
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◆普通自動車の法定速度をチェック
“これ以上は出してはいけない”という速度制限には「法定速度」「指定速度」の2種類があります。道路交通法には「車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない」と定められており、前述で書かれている最高速度が「指定速度」、後述で書かれているものが「法定速度」になります。
普通自動車なら一般道路の法定速度は時速60キロ、高速道路は一部区間を除けば時速100キロです。一般道路の場合、法定速度よりもスピードを落として走らなければいけない道路がほとんどです。その理由について、井口さんは「道幅が狭かったり、見通しが悪かったりする道路を時速60キロで走ると危ないので、その場所に合わせて最高速度が決められています」と解説します。
◆道路標識の「最低速度」に注意
一方、法定速度よりも優先されるのが、道路標識などで指定されている「指定速度」です。また、その下にある矢印も確認する必要があります。左から右を指している矢印は「ここから始まる」という表示で、右から左を指していたら「ここで終わり」という表示です。また、両方に矢印がついていたら「まだ区間内にある」ことを意味しています。「時間帯や車両によって速度制限が変わることを複数の道路標識で知らせている場合もあるので、数字以外の部分の表示が何を意味しているのかも覚えておくといいと思います」と補足します。
速度制限については、最高速度だけではなく「最低速度」があることも理解しておきましょう。道路標識の数字の下に線があったときは最低速度をあらわしており、「それ以上のスピードで走らなければいけない」という意味になります。また、高速道路の場合は、標識が出ていなくても最低速度が時速50キロです(普通自動車の場合)。ただ、渋滞時などのゆっくり走らざるを得ない場合は例外となりますので、状況に合わせて判断するようにしてください。
◆生活道路の法定速度が引き下げに
高速道路では車両によって制限速度は変わります。以前は総重量8トン以上の中大型トラックの法定速度は時速80キロでしたが、2024年4月1日から「時速90キロ」に引き上げられました。この引き上げは高速道路の場合のみで、一般道では引き続き時速60キロのままとなります。なお、救急車や消防車、警察車両は、一般の車とは違うルールになっています。
普通自動車の法定速度についても注意点があります。住宅地などにあり、道幅も狭いいわゆる「生活道路」についても、現在は最高速度の標識などがなければ時速60キロで走行可能ですが、2026年9月から法定速度が時速30キロに引き下げられます。
法定速度と指定速度をしっかり守り、スピードを出しすぎないように安全運転に努めましょう。
<番組概要>
番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全
放送日時:毎週金曜 7:20~7:27