モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」(毎週月曜~金曜6:00~9:00)。先日、番組内で取り上げた「職場で古いと感じる価値観」に関するニュースが、記事配信後に大きな反響を呼んでいます。
特に1位の「長時間労働が評価される」という項目について、働く人々から「効率を重視すべき」という意見だけでなく、「デキる人への仕事の集中で仕方ない」といった、現代の職場が抱える複雑な実情を訴える声が多く寄せられました。
この記事では、この話題に寄せられた多様なコメントから、働く人々が望む職場環境について考えます。
※写真はイメージです
◆「長時間労働評価」に9割が疑問の声!?
特定技能外国人の採用支援を手がける株式会社ライズ・スクウェアが実施した「職場で古いと感じる価値観」の調査によると、「職場でその価値観は古いと思うことがあるか?」という質問に対し、90%以上が「よくある」「たまにある」と回答。
多くの人が職場の古い価値観に直面していることが明らかになりました。
そして、古いと感じる価値観の第1位は「長時間労働が評価される」でした。
●1位:長時間労働が評価される
●2位:紙資料を重視する
●3位:男女で仕事内容が違う
●4位:対面での仕事が基本
●5位:業務時間外で交流を図る
この日の放送内でユージは「お金になるんだったらいいけど、『残業が偉い!』って言われるだけだと、それは古いよね」と、長時間労働を称賛する風潮に疑問を呈しました。
しかし、この「長時間労働が評価される」という価値観に対し、SNSやネットニュースでは、単なる批判に留まらない、より踏み込んだ意見が交わされました。
「長時間労働が評価される」という現象の背景には、さまざまな要因が絡み合っているようです。
◆評価されるのは「頑張り」ではなく「成果」と「技術」?
長時間労働を「非効率の証拠」「ダラダラやってるだけ」と切り捨てる意見が多い一方で、一部からは「業種による」「若いうちは苦労を買ってでも」といった意見も。
●「業種にもよる。設計・施工管理などの技術者は、若い頃からたくさん考えて、答えを出して経験を積み上げた人ほど成果を出し、頼りにされて収入は上がる。学歴関係なく高卒でも40代で年収1,000万円もありえる(私がそう)。サービス残業してでも技術を磨き会社にとって効率よく利益を出すかを考えて働くことにより、将来的にお金になるパターンもある」
特に専門性の高い分野では、若いうちのインプットと経験値の蓄積が、将来の「成果」と「高収入」に直結するという現実を指摘する声も。長時間労働自体が評価されるのではなく、「技術を磨くための努力」が報われる、という意見も寄せられました。
◆「デキる人」への業務集中が長時間労働を生む?
また、多くの職場で見られるのが「デキる人に仕事が集中する」構図です。
●「うちも長時間労働。それを、やって『偉い』と言うより、業務量が多すぎるから仕方なくやっているだけ。さらに、デキる人に仕事が集中するので、自動的に『長時間労働=偉い=デキる人』『定時退勤=休暇もきっちり消化する人はスマート』、それができていない人はポンコツ……という構図になってしまっている」
●「若手の意見の場合、少しわかっていない部分もあるのではないかと思う。同じ職場の人間で、同じ平社員でも、業務量にはそもそも差がある。もちろん、できる人間に任せたい」
これらの声からは、長時間労働が個人の能力の優劣に起因し、結果的に「長時間労働者=有能」という見方が生まれている現状が浮かび上がります。この構図を打破するには、会社全体で業務の平準化や効率化を図ることが不可欠です。
◆“自己防衛”のための働き方
一方で、長時間労働を強いる古い体質や非効率な働き方を拒否し、自身の時間を大切にするという人の意見も。
●「昔の同僚に久しぶりに会うと、まるで仕事しない人間に変わっていた。本人曰く、相手の期待値を下げて、業務を被せられそうになったら都度、文句というか、『これ必要ですか?』と返していたら、業務が軽くなって本当に楽になった、と言っていた」
会社や上司の古い価値観を変えることを諦め、自己防衛のために業務を限定し、定時で帰ることを優先する、いわゆる「静かなる退職(Quiet Quitting)」の具体例とも言える意見も。
◆「紙文化」「時間外交流」にも改善要望
ランキングの2位と5位についても、怒りや困惑の声が寄せられています。
2位の「紙資料を重視する」については、効率の悪さへの不満が爆発しています。
●「印刷だけでコピー機30分以上占領なんてザラ」「紙文化なので全資料を印刷しても、結局、チラッと見て終わり。俺の時間と労力を返してくれ」
といった、非効率なプロセスへの不満も。
DX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれる現代において、非効率な紙文化は個人の時間だけでなく、企業の生産性も大きく損なう、といった意見も寄せられました。
また、5位の「業務時間外で交流を図る」に関しては、“飲み会強制的参加”への不満の意見も多く寄せられました。
●「自ら会費を払って、歓送迎会以外の飲み会が企画されて参加を強制される。そもそも、業務メンバーとの飲み会では仕事の話にもなる。でも、飲み会は業務外。もちろん残業代も出ない。会費も自腹!」
●「事前に会費を徴収されて参加するつもりでいたけど、急なトラブル対応&残業が長引き、結局参加できなかった。でも、店側には人数で予約しているので、幹事からは『返金できない』と。これはさすがに会社が負担してくれても良いのでは?と怒り心頭」
◆大切なのは「効率」と「公平な評価」
一連の反響コメントから見えてきたのは、「長時間労働は古い」という単純な結論だけではなく、また、働く人々が単なる「楽」を求めているのではなく、「効率よく、明確な成果に基づいて評価されたい」という強い思いです。
企業は、長時間労働を美化するのではなく、業務の段取りや意思疎通の改善を通じて、全社員が定時で成果を出せる環境を整えること。
そして、個々の能力と成果に正当に見合う評価をおこなうことが、現代の多様な働き手のニーズに応える鍵となり、時代に合わせたアップデートをしていく必要がありそうです。
<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月~金曜6:00~9:00
パーソナリティ:ユージ・吉田明世