青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMの番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。10月9日(日)の放送では、内閣官房 孤独・孤立対策担当室 政策参与の大西連(おおにし・れん)さんに、「孤独・孤立対策」をテーマに話を伺いました。
青木源太、大西連さん、足立梨花
◆“孤独・孤立”は、誰にでも起こり得るもの
昨年度、内閣官房が孤独・孤立対策の一環で、国として初めて孤独・孤立の実態を把握するために全国調査を実施しました。それによると、孤独感が「しばしばある・常にある」「時々ある」「たまにある」と回答した人は、全体の4割ほどいることが分かりました。
“孤独”は主観的な概念で、ひとりぼっちと感じる精神的な状態を指すのに対して、“孤立”は客観的な概念で、社会とのつながりのない、または少ない状態を指します。孤独や孤立の感じ方や捉え方は人によって違うため、実態を正確に把握するのは難しいものの、「今回の調査で“孤独・孤立は人生のあらゆる場面で誰にでも起こり得るもの”ということが浮き彫りになった」と大西さん。
また、今回の調査を年代別で見てみると、孤独感が「しばしばある・常にある」と回答した割合は30代が最も高く、次いで高いのが20代、逆に最も低いのが70代でした。
そのほか、この調査で“現在の仕事の有無”“世帯年収”“配偶者の有無”“心身の健康状態”などについて聞いた回答から、「仕事がない失業中の方、派遣社員など不定期・不安定な働き方をしている方、所得が低い方がより孤独を感じやすい。ただ、所得が高い方も孤独感が一定程度あるというデータもあるので、広範囲にほとんどの方が何かしらの孤独を抱えている可能性がある。また、健康状態が良くない方や1人暮らしの方、未婚・離別・死別といった状況で孤独感が強くなるという傾向が見えてきている」と話します。
◆頼ることは恥ずかしいことではない
孤独・孤立対策が生まれた背景として「自己責任論だけでは太刀打ちできないぐらい声を上げられない方が社会にたくさんいて、苦しい状況に悩まされている現状がある。孤独・孤立対策がスタートして約1年半が経ちましたが、そうした方々に声を上げてもらうこと、そして声を上げてくれた方に支援を届けることを目的としている」と力を込めます。
そこで内閣官房では、昨年2月に孤独・孤立問題に取り組む閣僚級ポストの設置、孤独・孤立の実態把握のための調査の実施、さらには、今年の7月と8月の2回、それぞれ1週間の期間限定ではあったものの、24時間体制の「孤独・孤立相談ダイヤル」を設けて相談対応をおこなうなど、さまざまな取り組みをおこなっています。
孤独・孤立相談ダイヤルの第1回目となる7月の期間中にかかってきた電話は約1万5,000件にのぼり、そのうち、電話がつながって相談に応じることができたのは約3,800件でした。大西さんによると、目立った相談内容は「さみしい」「話を聞いてほしい」といったものや、「人とのつながりがまったくなくて苦しい」「生活が苦しい」といった声、また、住まいもなく公衆電話からかけてくる人もいたそうで「精神的に追い詰められて『今すぐにでも死にたい』と声を上げる方など、さまざまな相談が寄せられた」と振り返ります。
現在、悩みを抱えている人が相談できる場所については、内閣官房のWebサイト
「あなたはひとりじゃない」にて、孤独・孤立に関する各種支援制度や相談先を紹介するなど、さまざまな情報を発信しています。さらに、チャットボットを導入しており、いくつかの質問に答えるだけで、約150の関係府省の支援制度や相談窓口のなかから、その方の状況に合った支援を探すことができる仕組みになっています。
匿名で誰でも相談ができ、そもそも相談窓口には守秘義務があるため、話した内容が本人の同意なく他の人に知られることはありません。大西さんは、「国の制度を使うことはすべての人にとっての権利であり、孤独・孤立で苦しんでいる方にこれらを使っていただくために、さまざまな政策・制度を国が作っています。(支援を受けることは)全然恥ずかしいことでもためらうことでもないので、ぜひ利用していただきたい」と声を大にします。
とはいえ、「行政機関や支援団体の相談窓口に相談するのはまだハードルが高いので、ハードルを下げるための取り組みもおこなっていきたい」としつつ、「家族、友人、同僚など、身近な方がまず話を聞いてくれることによって、すごく楽になったり、抱えている問題が整理されたりすることもあるので、“いつもと違うな”“少し様子が変だな”と感じたら、身近にいる人が『最近どう?』『顔色が悪いみたいだけど大丈夫?』『ちゃんとご飯食べてる?』といった、日常会話でもあいさつでもいいので、遠慮せずに声をかけ合うことが第一歩」と力を込めました。
足立は、「誰しもが孤独・孤立になる可能性があるということを感じた」と言い、そういう状況に陥ったときには「声を上げることは恥ずかしくないし、周りも(異変に)気づいたら声をかけてあげることが大事だと思いました」とコメント。
青木は、「目で見て分からなくても、(孤独・孤立で)悩んでいる方は多いと思うので、国の制度や相談窓口があるということ、匿名で安心して相談できるということを知っていただきたい」と話しました。
青木源太、足立梨花
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/collection/