青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMのラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」(毎週日曜 7:30~7:55)。11月20日(日)の放送では、内閣官房 こども家庭庁設立準備室審議官の北波孝(きたば・たかし)さんに「こども家庭庁創設」をテーマに話を伺いました。
(左から)青木源太、北波孝さん、足立梨花
◆“こどもまんなか社会”の実現に向け「こども家庭庁」が新設!
内閣府が、2018年に、日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンの7ヵ国を対象におこなった「我が国と諸外国の若者の意識」に関する調査によると、「自分自身に満足している」「どちらかと言えば満足している」と答えた13歳~29歳の若者は45.1%で、この数字は諸外国と比べて極めて低いことが分かりました。ちなみに、アメリカ、フランス、ドイツ、イギリスは80%を超えていて、スウェーデン、韓国も70%を超えています。
この結果と直接結びつけて考えることはでませんが、日本の子どもたちを取り巻く課題は、例えば、学校でのいじめや子どもの貧困、児童虐待、不登校などさまざまなものがあると言えます。実は、子どもの虐待に関する相談件数やいろいろな事情で学校に通うことができない子どもの数は、2020年度が最多となっています。
さらに、日本は少子化の問題を抱えており、出生数の減少は予想を上回るペースで進んでいて、2021年は約81万人と過去最少を記録、予想を上回るペースで減少が進んでいます。このまま子どもの数が減り続けると、今後社会を支える人が減っていくことになり、社会全体を支えることが難しくなるのではないかと心配されています。
そこで、2023年4月1日(土)から新設されるのが「こども家庭庁」です。「“こどもまんなか社会”の実現に向けて、子ども政策に全力で取り組んでいくための国の組織」と北波さん。また“こどもまんなか社会”については、「子どもに関する取り組み・政策を社会の真ん中に据えること」と補足します。
総じて、すべての子どもたちがその命を守られ、自分らしく、健やかに、安心して過ごせるように「子どもや子育てをしている人の目線で、子どもの権利を大切にするなど、常に子どもに最も良いことは何かを考えていこうというもの」と言います。
昨今、子どもを取り巻く課題は多岐に渡っており、政府の子どもに関する仕事もさまざまな省庁でおこなわれてきました。例えば、内閣府では、少子化対策や子どもの貧困など、厚生労働省では、児童虐待対策やひとり親家庭支援、母子保健など、文部科学省では、義務教育や学校でのいじめ対策などに関することをそれぞれ担当していましたが、これからは上記で挙げたような仕事のうち、教育の部分を除くすべてをこども家庭庁が一元的に担当することになります。
具体的には、「妊婦健診や産後ケア、保育園・認定こども園、児童虐待対策、児童手当などのこどもと家庭への支援に関する仕事を担当することになり、年齢や制度の壁を越えた切れ目のない支援をおこなっていく」と北波さん。なお、教育の仕事に関しても、文部科学省と連携を深めながら取り組んでいくこととしています。
また、こども家庭庁は、政府のなかの子ども政策全体のリーダーとなります。あらためて、北波さんは「“子どもにとって何が大切か”ということを、常に子どもと子育てをしている方の目線で考えて、子どもに関係する仕事をリードしていきたい」と力を込めます。
◆「こども家庭庁」新設と同日に施行される「こども基本法」
2023年4月1日(土)から、こども家庭庁の創設とともに「こども基本法」という新しい法律も動き出します。
日本には、児童福祉法、母子保健法、教育基本法など、子どもに関わるさまざまな法律はありますが、子どもを権利の主体として明確に位置づけ、その権利を保障するための基本的な法律が存在していませんでした。
子どもをめぐる問題を抜本的に解決し、子どもに関する施策を幅広く、整合性をもって実施するには、基本となる理念や施策、方針などを定める必要があり、そのためにつくられたのが「こども基本法」です。
具体的には、法律のなかで定められている基本理念として、「子どもの基本的人権を保障し、差別を禁止すること」「子どもの健やかな成長や学びの権利を保障すること」「子どもの意見を尊重すること」「子どもの最善の利益を優先すること」などが規定されています。
これらの基本理念のもと、例えば、こども政策を実施するにあたり、対象となる子どもや子育てをしている人たちの意見を反映させていくことも定めていて、実は、こども家庭庁をつくる段階から、子どもや若者のみなさんから出たアイデアが反映されていきました。
例えば「学校や家庭以外の子どもの居場所づくりに取り組む」「子どもと近い目線・価値観で対応することができる“お兄さん・お姉さん”的な支援者による支援を進める」「制度や支援について、オンラインで気軽に問い合わせできる仕組みを作る」などです。
ちなみに、こども基本法では、子どもに対する支援は国だけでなく、地方の自治体や民間企業、NPOなど、さまざまな主体によりおこなわれており、こうした関係者同士で密に連携を取り合っていこう、ということを定めています。
最後に「何よりも“こどもまんなか社会”の主役は、子ども・若者のみなさんです。どんどんみなさんの声をこども家庭庁の取り組みに反映していきたいので、ぜひ声を聞かせてください。こども家庭庁は、その声を受け止め、みなさんと一緒に考えながらさまざまな取り組みを進めていきます。私たちと一緒に“こどもまんなか社会”を作っていきましょう!」と呼びかけました。
足立は、こども家庭庁ができる2023年4月1日(土)に「こども基本法」も実施されることに着目。「これで、子どもをめぐるさまざまな問題が解決できるといいなと思う。多くの人たちに知ってもらいたい」と期待を寄せます。
青木は、北波さんの「“こどもまんなか社会”の主役となるのは、子ども・若者のみなさん」という理念に大きくうなずき「ぜひ、(こども家庭庁に)その声を届けていただきたい」と話しました。
(左から)青木源太、足立梨花
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/collection/