笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「DIGITAL VORN Future Pix」。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。10月8日(土)の放送は、イギリス発のエネルギーテック・オクトパスエナジー日本CEOの中村肇(なかむら・はじめ)さんをゲストに迎え、お届けしました。
*日本では実質再生エネルギー100%の供給となります。
(左から)中村肇さん、笹川友里
中村さんは、東京大学工学部卒業後、1991年に東京ガス株式会社に入社。2018年に電力トレーディング部長、2020年に価値創造部長を経て、2021年にオクトパスエナジー日本法人の代表取締役社長に就任しました。
◆新しいテクノロジーを活用したエネルギー事業
オクトパスエナジーは、イギリスでの事業設立以来、EnTech(エンテック=EnergyとTechnologyを掛け合わせた造語)企業として、新しいテクノロジーを活用したエネルギー事業を展開しています。
再生可能エネルギーの普及を進めていくなかで、中村さんがデメリットとして挙げたのは、お客様への電気の供給コントロールが難しい点。「風力発電や太陽光発電は自然任せであり、風が吹いたときなどに発電するが、曇ってしまうと急に発電しなくなるなど扱いづらいエネルギーなので、お客さまの必要量に応じていかに(電気を)お届けしていけば良いか、テクノロジー的にも難しい」と言います。
また、電気を使う消費者側の多くは“いかに料金を抑えるか”を重視する傾向にあります。日中にたくさん電気を使う人もいれば、夜型の生活で日中はほとんど電気を使わない人もいたりと、人によって電気を必要とする時間帯はさまざまです。
オクトパスエナジーを利用している方のなかには「自分のライフスタイルに合わせてカスタマイズされた安い料金プランがほしい」という要望や、電気自動車(EV)を購入した方からは「電気自動車へのチャージで電気代が高くなるのは嫌だから、安い時間帯に充電してくれるような料金プランがほしい」といった声も。
このように、お客様の数だけいろいろな電気の使い方があるため、「それぞれのお客さまに合った料金プランやサービスをどんどんカスタマイズして、提供していく。ここをうまく実現していけるのが“テクノロジーの力”。どういうふうにプランを組み合わせてお客さまにお届けすれば良いか、というのは、事業者としてお客さまに提案する腕の見せどころ」と力を込めます。
◆オクトパスエナジーの“3つの強み”
オクトパスエナジーは、2015年にイギリス・ロンドンで創業。その翌年に本格的に事業を開始してからわずか5年ちょっとで、イギリス国内のシェア4位に。さらに、顧客満足度、働きたい会社ナンバーワンという評価を得ており、イギリス国内で注目を集めている企業で、同社のキャラクターであるタコをモチーフにした「コンスタンティン」も認知が広まっています。
そして現在は、イギリス、日本、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、スペイン、イタリアの世界8ヵ国で事業を展開。再生可能エネルギーを320万件以上の顧客に供給しています。
利用者を伸ばしている背景に「テクノロジーを使って、今までにない価値をお客さまにお届けしている」と中村さん。また、その強みは大きく3つあり、1つは「クラーケン」を中心とした「テクノロジー」。「クラーケン」は、オクトパスエナジーが独自開発した電気の供給から顧客管理まで、一元管理によるデジタルプラットフォームです。
2つ目は、ワンストップの「コンシェルジュ的サポート。そのプラットフォーム上でお客さまからの困った点やリクエストのすべてを、カスタマーサポートの担当者がワンストップで完結することができます。
そして3つ目は、「ファン」すなわちお客様との“向き合い方”です。「オクトパスにとってはただのお客さまではない。キャラクターのコンスタンティンも含めて、会社の“ファン”になってもらいたい。つまり“ファンづくり”を一生懸命におこなっているのが特徴」と声を大にします。
世界的にエネルギー価格が高騰している今、「“どうすれば家計の支出を抑えられるか”といったことを知りたがっているお客さまが多いと思う。それに対してきちんとお答えし、アドバイスをしていく。これからは、お客さまのためになることをやっていくエネルギー会社がより求められていくと思うので、お客さまとの関係がすごく大事になってくる」と強調します。
◆2021年に日本参入…今後の展望は?
オクトパスエナジーは2021年に日本に参入しましたが、立ち上げ準備をするにも、コロナ禍ということもあってイギリスと日本の行き来ができず、「2ヵ国をオンラインでつなぎながら準備を進めていった。現在は、ようやくイギリスのスタッフが日本に来て一緒に仕事をしているが、そういう状況になってまだ3~4ヵ月ぐらいなので、(本格的に力を入れていくのは)これからです」と前を向きます。
そんなオクトパスエナジーが目指すべきところとして、「エネルギーをテクノロジーの力で変えていきたい。そして、地球にやさしい自然エネルギーを、テクノロジーの力で世の中に普及させていきたい。この2つが社会的なミッション(使命)でもあり、私たちが実現したいこと」と中村さん。
最後に「日夜、お客さまからの声を聞きながら、“どういうふうにすれば、お客さまにもっと喜んでいただけるか”を考えながら仕事をしている。お客さまの声に耳を傾けながら“どんどん良くしていこう”という(姿勢の)スタートアップの会社なので、ぜひオクトパスエナジーをお使いいただき、リクエストがあれば、チャットでもメールでも、どんどん生の声をいただけるとうれしい」と話しました。
次回10月15日(土)の放送は、株式会社メドレー 取締役CFOの河原亮(かわはら・りょう)さんをゲストに迎えてお届けします。メドレーの事業内容や医療におけるDX、さらには、デジタルやテクノロジーとともに私たちの暮らしや働き方はどう変わっていくのかなど、貴重な話が聴けるかも!? どうぞお楽しみに!
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聴取期限 2022年10月16日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/